Contents
新海監督とRADWIMPSの再タッグで音楽と映像が美しい映画『天気の子』について
この映画は、『君の名は』以来3年ぶりの新海監督の作品で、音楽は『君の名は』と同じくRADWIMPSと、待ちに待って2019年7月19日に公開されました。
これは、僕と彼女だけが知っている、世界の秘密についての物語
映画『天気の子』公式HPより
と、映画の一番最初で、この語りから入りました。
『君の名は』同様、明らかにフィクションですが、『天気の子』の方がメッセージ性が強く、新海監督の思いが伝わってきた気がしました。
アニメーションは、実写の映画とは異なり「何を描いて、何を描かないか」を自分で自由に決めることができるものです。ひとつのシーンに雨を降らせることもできるし、風を吹かせることもできます。実写の映画より明快に、「何を描きたいか」を伝えることができると思っています。今回の『天気の子』は、最初から「雨の映画」にしたいと思っていました。
新海監督単独インタビューHUFFPOSTより
この映画を見て、多くの人がびっくりしたことと思います。
それは、今年(2019年)の6月〜7月にかけて関東圏では雨の日が多く、梅雨の晴れ間をほとんど見ることがありませんでした。新海監督はまるでこの天候を予測していたかのような映画を3年前から作っていたと思うと、すごいというか恐ろしい気さえします。
前の世代によって変えられてしまった地球を、次の世代の子どもたちは受け入れて、そこで生きていくしかありません。陽菜に与えられた運命は明らかにフィクションですが、それを乗り越えていく力、自ら選び取る力、そのとき大切なもの、そして、狂った世界で生きていく、これからの世代の若者へのメッセージが聞こえてきました。
そういう意味で、『君の名は』ほどハラハラドキドキのエンタメ感が多くないので、同じようなものを期待する人には残念に思った人もいるかもしれません。
私はむしろ、心に残る映画となりました。
そして、今年の雨の多い東京は、まさに新海監督を応援し、真実味のある映画となったと言えるでしょう。
映画『天気の子』おすすめな理由
おすすめ理由① 映像とRADWIMPSの音楽が美しい
これは、『君の名は』同様というか、
さらに見事に音楽の盛り上がりと映像が一致する素晴らしい映像美が堪能できます。
もし、仮に内容が気に入らなかったとしても、この点だけでも見る価値あります。音楽と映像をずっと見ていたい気持ちにさせてくれます。
おすすめ理由② 新海監督の伝えたいテーマが感じられる
上記に書いたように、映画で大切なメッセージ性が感じられる作品だったと思います。
そして、RADWIMPSの歌の歌詞にも、そのことは歌われています。
『愛にできることはまだあるかい』『グランドエスケープ』の歌詞をよく聴いてみてください。
新海監督の思いをくんだ野田洋次郎の美しい詞、美しい旋律、心が震えます。
おすすめ理由③ 声優さんもみんないい
声優さんがひどいという噂が公開前にあったようですが、何だったのでしょうか。全くそんなことは感じませんでした。
森嶋帆高役 醍醐虎汰朗
東京都出身、映画公開時18歳。
天野陽菜役 森七菜
大分県出身、映画公開時17歳。
このお2人は、『天気の子』のオーディションで2000人以上の中から選ばれているそうです。
あまり知られていなかったことが、今回逆に新鮮な帆高と陽菜になって良かったと思います。
夏美役 本田翼
本田翼さんが良くないという話もあったようですが、夏美役に違和感感じませんでした。
須賀圭介役 小栗旬
須賀圭介役が良かったことで、この映画の厚みとなっています。
小栗旬さん、さすがです。
最初小栗旬だと思ったことなんて、映画見ている間すっかり忘れていました。
須賀圭介という人間らしいキャラクターが、このありえないような話をありうると思わせてしまうのです。
他、
- 天野凪役 吉柳咲良
- 安井役 平泉成
- 高井役 梶裕貴
- 冨美役 倍賞千恵子
でした。みなさん、良かったです。
おすすめ理由④ 空と雨と、天気ってすごい!
①と②と同じことになりますが、雨と空の映像がとにかく多く、すごいです。
そして、空と人とはつながっているというメッセージ
本当だと思いませんか。どんなにスマホが大事でも、どんなにパソコンが大事でも、毎日天気を気にしていて、天気に左右されて、私たちの気持ちも変わりますよね。
長野県出身の新海監督は、空と雲を見るのが好きなお子さんだったということです。
まとめ
新海監督ご自身、賛否に分かれると思って作られたということですが、前作『君の名は』が大ヒットだっただけに、それと比較して期待を裏切られたと思う人、いろいろいるかもしれません。
ですが、私はこの映画を楽しんだだけでなく、今のこの時代にあってほしい映画、を作ってもらえたなと思いました。
ぜひ、上映中に映画館に足を運んでみてください。