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『万引き家族』リリー・フランキー、安藤サクラたちの家族がホンモノに見える切なすぎる映画!

リリ・フランキー、安藤サクラによる『万引き家族』について

この映画は、是枝裕和監督による映画で、2018年6月8日に公開されました。

第71回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルム・ドールを獲得したことで、話題になった映画です。

テレビでも放映されましたが、私はamazon primeで視聴しました。

どんな話かというと、少しだけ…

「初枝(樹木希林)の家に住む治(リリー・フランキー)は工事現場で働き、信代(安藤サクラ)はクリーニング店で働いているが、十分な収入を得ることができず、治は翔太と万引きをして生計を立てている。亜紀はJK見学店で働いている。ある日、治は団地の1階で凍えている少女を見つけ、そのままにできず連れて帰ってきてしまう。親から虐待を受けていたその少女は体中傷だらけだった。りんと名前を変えて、いっしょに暮らすようになる。6人で海水浴に出かけたり、貧しいながら楽しく暮らしていたのだが、初枝おばあちゃんが亡くなり、その後事件が起きてしまう。」

この映画こういう映画だったんですね。

どうしてそんなに話題になっていたのか、見てみないとわからないと思っていましたが、やっと見終わり、納得です。

もしも、本当にこんな家族がいたとしたら、この映画のようになってしまうんですよね。

それが本当に切なかった。

信代(安藤サクラ)の泣く姿が目に残ります

子どもたちのつぶやきが聴こえてきそうです。

まだ見ていない方いらっしゃるなら、やはり一度はご覧になってみてください。

映画公開時、リリー・フランキーさん54歳、安藤サクラさん32歳、樹木希林さん75歳、松岡茉優さん23歳、城桧吏くん11歳、佐々木みゆちゃん6歳でした。

amazon primeでprime videoになっています。

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『万引き家族』がおすすめな理由

おすすめ理由① キャストがはまりすぎ、うますぎ!

本当にどの役見ても、この人しかいないと思わせる、この方たちはすごいです!

本当の家族に見えてしまいます。

柴田治役:リリー・フランキー

是枝監督の映画にはなくてならない存在ですが、そんなことはすっかり忘れて、この『万引き家族』を最高の家族に見せてしまう役者さんです。

治は、工事現場で働いているときに怪我をして、働けなくなってしまいます。翔太に万引きの片棒をかつがせて、車上荒らしまでしてしまう罪人です。

ですが、人情深く、翔太とりんを可愛がり、父ちゃんと呼ばれたいと思っている、憎めない存在なのです。

リリー・フランキーさんが、この治を応援したくなるような存在に、悪気のかけらも感じさせない存在にしてしまうのです。

柴田信代役:安藤サクラ

信代は、決して母親らしくしようとか、お母さんと呼んでほしいとかそういうところは見せません。女らしさもなく、むしろ男まさりな感じですが、信代自身が自然体で、みんなが自然に楽しくいられる場所を作っています。

そして、信代もりんと翔太を可愛がっていました。間違いなく。なぜなら、そうでなくても貧乏だったからです。彼らを守ってあげたいと思っていたんです。

最後の信代の泣く姿を是非見てもらいたいです。こんな泣き方って、社会のやるせなさをひしひしと感じてしまいます。

安藤サクラさんってすごい女優さんだったんだと、この映画で多くの人が思ったことでしょう。

柴田初枝役:樹木希林

この映画公開後約3ヶ月で亡くなられてしまったので、本当に最後の力ふりしぼって、演じられてたのだなと思います。

初枝は、なんともずる賢いおばあさんです。でも、その初枝を亜紀は慕っていましたし、りんのことも可愛がっていましたし、愛情深い人だったんです。信代や治とも、なんとなく相通じるものがあったからいっしょに暮らしていたのか、理由は描かれていませんでしたが、同じ雰囲気を醸し出し、まるで親子のように見えました。

そんな微妙な雰囲気を醸し出せるのは、樹木希林さんならではです。

柴田亜紀役:松岡茉優

亜紀の本当の両親は健在なのに、どのようにして初枝の家に来たのかは描かれていませんが、亜紀は初枝おばあちゃんべったりでした。JK見学店で働き、お客さんとひそかに心を通わし、どこか両親とうまくいかなかった傷のようなものを抱えていました。

そんな亜紀役を松岡茉優さんが好演していました。

柴田翔太:城桧吏

翔太が実は、この映画のキーパーソンでした。

治に教わった万引きを続ける翔太も、りんという妹ができて、治と2人で行動できなくなってしまいます。そのことを最初は受け入れにくかった翔太。でも、りんを妹として可愛がり、駄菓子屋の店主に妹には(万引きを)やらせるなと言われたことで悩みます。お店のものはまだだれのものでもないからと治から教わっていたのに、車上荒らしをする治に車はだれかのものではないのと疑問を感じたり、家の中で起きていることを全部見ていて、それでどう自分は判断すればいいかを子どもながら、翔太は必死で考えて生きていました。それでも、治の自分への愛情は嘘ではなかったと翔太は感じていたはずです。そんな難しい役を城桧吏くんはまるで城桧吏くんが翔太そのものだと思えるほど自然にこなしていました。

城桧吏くんじゃなかったら、この映画成り立たなかったかもしれません。

りん(ゆり・じゅり)役:佐々木みゆ

虐待を受け、いつもビクビクしながら生きていたじゅり(りん)。元気すぎる明るい子では、この役はつとまらなかったでしょう。最後のシーンは、じゅりが1人で遊んでいるシーン。この切なさをかもしだせるみゆちゃんすごいです。

この後、ネタバレ含みます。まだご覧になっていない方は、この後読まずに映画をご覧になってください。

おすすめ理由② 実社会への強烈な批判!?

どっからどう見ても、治と信代は、放置された子どもを拾って育て、虐待を受けている子どもを救い出した正義の味方です。

万引きは良くないにしても、むしろ表彰されてもいいくらいのことをしていたにもかかわらず、社会はそこになんの評価も与えず、信代は犯罪者となってしまう。

もし、実際にこういうことが起こったら、本当にこういう判決が下されてしまうでしょう。

そういう社会って本当に福祉社会なのかな?法律って何なの?という思いを見ている人たちみんな抱いたことでしょう。

ここまで、人々に訴えることができる映画ってすごい!です。

だから、パルムドール賞、なんですね。見て納得しました。

おすすめ理由③ 本当の家族って何だろう?

この映画を見ると、本当の家族って何なんだろう?って考えさせられます。

彼ら6人に血縁関係は何もなかったけれど、本当の家族のようでした。

翔太もりんも本当の家には、自分の居場所がなかったのです。

そして、初枝だって、劇中で信代が言うように「一人で死ぬより幸せだった」にちがいありません。死体遺棄で捨てたんじゃなくて拾ったんだって、信代は言いました。

こういう家族があってもいいはず、存在できる社会なら良いのに、と思わせてくれる映画でした。

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日和
日和
諸々の事情によりフルタイムで仕事することができないため、フリーで仕事をしていると、ほとんど休みがありません。 家事をしながら観る映画と美味しいスイーツが唯一の癒しです。 コロナ禍で外出もままならなくなり、iPadを家中持ち歩き、ネットで映画を観ています。 本はKindleにして、買い物途中などでも読めるようにしています。隙間時間を利用して少しでも楽しめたらと、楽しみを共有できたら幸いです。