Contents
音楽で癒される山崎賢人主演映画『羊と鋼の森』について
映画『羊と鋼の森』は2018年6月8日に公開されました。
原作は宮下奈都さんの2016年第13回本屋大賞を受賞した小説『羊と鋼の森』です。
監督 橋本光二郎、脚本 金子ありさ でした。
外村という青年がピアノの調律師として成長していく姿を描いた作品で、ドラマ性はあまりありませんが、仕事へのひたむきさに心奪われる映画です。
私は、宮下奈都さんの小説が好きで原作を先に読んでから、映画を観ました。
原作を知って映画を観ると、たいてい原作の世界観を壊されて、嫌な思いをすることが多いのですが、今回は違いました。
原作のイメージがよりはっきりと伝わってくるような感じで、さらに映画の中でのセリフが少ないため、逆に小説を読んでいて良かったと思うことも多くありました。
心落ち着かせてじっくり味わいたい、そんなときは、ぜひこの『羊と鋼の森』をご鑑賞ください。
数々のピアノ曲、映像美でとても癒される映画です。
映画公開時で、山崎賢人さん23歳、三浦友和さん66歳、鈴木亮平さん35歳、上白石萌音さん20歳、上白石萌歌さん18歳でした。
*2019年5月10日現在で、amazon primeで『羊と鋼の森』はprimeビデオになっていなく、U-NEXTのポイントが余っていたため、U-NEXTで視聴しました。U-NEXTも540円のUコインが必要です。いつかamazon primeで観れるようになったら、もう一度観たい映画です。
映画『羊と鋼の森』がおすすめの理由
おすすめの理由① 映画全編通して音楽が素晴らしい!
クラシック音楽に詳しい方なら、映画を観ながらどの曲が使われているのか、きっとわかるでしょう。私は有名な曲しかわかりませんでしたが、なんという曲かわからなくても、心地よく感じられます。
映画全編通して、ずっと素晴らしいピアノ曲を聴くことができ、贅沢すぎる時間でした。
外村(山崎賢人)は北海道で林業をつとめる家の息子なので、家からすぐに森の中へ入っていける環境で育ちました。外村はピアノが奏でる音楽で森が見えるということで、森のシーンが多くあります。
森の映像シーンが音楽とともに素晴らしく癒されます。
おすすめの理由② 好きなことに真摯に向き合うすごさ
外村(山崎賢人)は、板鳥(三浦友和)という調律師と出会い、調律の世界に入っていきます。そして、どうしたらいい音を作り出せるのか、いい調律師になるにはどうすればいいのか、真摯に自分と向き合っていきます。
その点は、原作の方がしっかり描かれています。映画では、非常に語りが少ない演出となっているので、理解しづらい部分もあるかもしれません。
外村の演技に対する板鳥さんや柳さんの表情、音楽が表現してくれています。外村の苦悩を山崎賢人が好演しています。
このひたむきさ、真面目さが、自分を正してくれるような気さえしました。
おすすめの理由③ キャストが原作のイメージと合っている
原作を読んでいない方は、あまり気にならないかと思いますが、原作を読んでしまった者として、やはり、できる限り原作のイメージに合っている俳優さんに演じてもらいたいと思ってしまいます。
今回そういう意味で、とてもすんなり受け入れられるキャストでした。
板鳥宗一郎役 三浦友和さん
ベテラン調律師で、外村が調律師になるきっかけを作った人であり、その後もずっと外村にとって目指すべき憧れの調律師であり、海外からもオファーの来る実力のある調律師が板鳥宗一郎です。
さすが三浦友和さんでした。納得の板鳥宗一郎です。
柳伸二役 鈴木亮平さん
外村が最初について仕事を教わった人が柳さんです。柳さん自身もとても繊細で、メトロノームの音で自分を落ち着かせているような人ですが、外村には的確にアドバイスし、時には厳しく、外村にとってのいい先輩です。
そんないい先輩後輩の関係を、まさにぴったりの配役で鈴木亮平さんと山崎賢人さんが演じています。
双子の姉妹 佐倉和音役 上白石萌音 佐倉由仁役 上白石萌歌
原作では、双子の姉妹ですが、上白石姉妹も2歳違いですし、やはり似ているので問題なく、さらに、ピアノが弾けるというこの佐倉双子姉妹にぴったりのキャストでした。
原作だと、もっとこの2人についての描写やこの姉妹と外村とが関係する描写も多いので、姉妹のピアノに対する苦悩もものすごく大事な伏線となっています。ですが、映画だと描写やセリフが少なく、若干わかりづらいかもしれません。そういう意味で、本を読んでからの映画はすごく良かったです。
北川みずき役 堀内敬子さん 濱野絵里役 仲里依紗さん
北川さんは、外村がつとめる楽器店の事務員。北川さんは、調律師たちのことをよくわかっていて、外村の努力している姿もちゃんと見守っています。堀内敬子さん、こういう脇役が本当に上手です。
濱野絵里は、柳さんの幼なじみであり、恋人であり、婚約者です。柳さんの繊細な部分まで理解している女性を、出番は少ないのですが、仲里依紗さんがしっかり演じています。
最後に
ドラマチックな展開はありませんが、音楽を聴きながら、じっくり味わえるいい映画です。
何度も書いていますが、原作を読むとより深く理解することができます。
先に映画で、後から原作本を読むのでもいいと思うので、是非本の方も読んでみてください。